2015年2月28日(土) 『多摩川水辺の楽校 子どもシンポジウム』活動報告
日 時 | :2月28日(土)13:00~ |
場 所 | :川崎市総合福祉センター エポックなかはら 7階大会議室 |
参加者 | :200名 |
2015年2月28日(土)、川崎市総合福祉センター エポックなかはら 7階大会議室で『多摩川水辺の楽校 子どもシンポジウム』が開催された。子どもたちの様々な発表を楽しみに来場した出席者は200名。席の数が間に合わず、開始前に座席数を増加するも、遅れて到着した方は立ち見になる一幕も。スタッフがさらに椅子を追加するような大盛況ぶりだった。今回はこのシンポジウムの様子を報告する。
■司会
総合司会 大村 沙やか
(川崎市建設緑政局緑政部多摩川施策推進課 川崎市域水辺の楽校推進協議会事務局)
司会 とどろき水辺の楽校宮内分校(宮内中学校)
【 第一部 】
1 開会のあいさつ
御前 大(特定非営利活動法人 とどろき水辺 理事長)
春らしい大変すばらしい天気の中、たくさんの皆様にお集まりいただきましてありがとうございました。ご来賓の皆様もお忙しい中駆けつけてくださった皆様、ありがとうございます。また、基調講演を快く引き受けてくださった中本賢さん本日、よろしくお願いいたします。
このシンポジウムは、それぞれの地域で遊び、環境学習、安全講習会などを活発に活動している水辺の楽校が1年間の発表をするため去年から開催しています。
今年は対岸大田区 世田谷区からもお集まり頂きました。最後まで盛り上げていただきたい。
2 来賓等挨拶・紹介
川崎市長 福田 紀彦
本日は「多摩川水辺の楽校 子どもシンポジウム」ということで、たくさんの皆様にお集まりいただき、ありがとうございました。
今日は世田谷区、喜多見からおみえとのことですが、昨年、「宇奈根渡し」でお世話になりました。その後、世田谷区長とさらに懇意となり、今まで多摩川が世田谷区と川崎市を、ある意味隔てている川が、本当の意味で多摩川が二つの自治体をつないでもらった、そういう体験をさせてもらいました。
こうして子どもたちやボランティア団体の皆様が多摩川のこと、一生懸命やっていただいているおかげで、我々政治家にも変化がありました。先月、多摩川流域の市町や区長が集まって多摩川がもっと価値あるものにするためにはどうしたらいいか話になった。その際、流域の自治体で、みんなの自治体で同時多発的なことをやったらおもしろいんじゃないかというふうな話にもなった。
これから子どもたちと一緒に多摩川のことを盛り上げていきたいなと思っています。
国土交通省京浜河川事務所 船橋 昇治 所長
川崎河川漁業協同組合 井口 文夫 理事長
多摩川流域水辺の楽校連絡協議会 野口 昌男 会長
開会宣言
とどろき水辺の楽校宮内分校(宮内中学校)
川崎市には多摩川が流れています。川には多くの生き物が生活し、環境を豊かにしてくれています。多摩川は私たち、そして多くの生き物を支えているのです。今日はそんな多摩川のことを勉強します。どんなことを勉強できるか楽しみです。
それでは、『多摩川水辺の楽校 子どもシンポジウム』を開始致します。
3 「たまがわ環境学習プログラムかわさき(概要版)」の紹介
だいし水辺の楽校 事務局 佐川 麻理子 氏
『たまがわ 環境学習プログラム集かわさき』をご覧ください。
この冊子は、川崎市市域推進協議会においてこれまで長年の経験から得た知識、ノウハウを伝えるとともに、環境学習を推進する指導者をはじめ教育機関において授業に活用して頂こうと、また、他の地域の水辺の楽校の活動団体と皆様との積極的かつ自主的な活動の推進に資するようにと、今回川崎市と私たちが協働で発行させて頂く次第となりました。
副題として、今回水辺の楽校スタッフ全員に共通する思いとして、都会の中のオアシスとしての役割を担っていく多摩川を未来へと繋げていくために「多摩川で輝く子どもの未来」とさせて頂きました。
皆様には、この冊子をきっかけとして多摩川の自然環境など、多様な魅力を感じとってほしいと思います。また、指導者、教職員、ボランティアの皆様、その導き出しとしての補助教材として使って頂ければ大変ありがたいと考えております。
4 基調講演
俳優・川崎市教育委員会委員 中本 賢 氏
今日は、皆さんの発表を楽しみにしています。多摩川の活動をやったとき一緒にした方も多くいますので、どんな発表をするのかなぁと楽しみにしています。
今日、撮影所から来ました。4月からドラマが始まるんだけど、サスペンスで役は、犯人です。もうすでに3人殺してます。それで、「魚が可愛い。」って恥ずかしいんですけどね。
皆さんにも子どもにもよく言うんですが、多摩川は非常に良くなりました。市長のお話の中でも有りましたが、昔は汚かった。そこで、川崎が、流域にとって、多摩川はどういうものなんだろう。もう一度思い起こしてもらえると、学習の内容も一つ変わってくると思います。
ところで、皆さん、「川崎」ってなぜ「川崎」っていうか考えたこと、あまりないですよね?たぶん、川の崎にあるからだな。でも、今、海の恵みや山の恵みを川崎で感じるのは難しい。100年くらい前だったら干潟が沢山あって、山から流れる水も大量にあって、海と川が交わるところに川崎があって、多くの恵みをそこで頂いて、人が暮らしていた。そういう川が山と海とつながっているという意識を持つと、川崎発、流域で一つにつながっているという時に、川は実は山や海とつながって全体の環境の体をなしているというのを川崎の市内で是非みれるので、学習の中のテーマとして選んで頂ければと思います。
【 第二部 】
1 とどろき水辺の楽校
講師紹介
玉川中学校
「1年間の歩み~草木染め、ストーンペインティング、絵画~」
玉川中学校の総合的な学習の時間で行われる、「玉川タイム」を紹介。この「玉川タイム」では、様々な講師の中から、興味のある先生の元で学ぶとのこと。
今回は、ビオトープの制作、草木染めとガサガサ体験、ストーンペインティング、風景画、源流体験についての紹介があった。
宮内中学校
宮内中学校では、総合的な学習の時間に、「水辺の楽校」の授業を行っている。この「水辺の楽校」の授業での、ガサガサ体験や夏休みに山梨県で行った源流体験、さらに幸区株式会社ショウエイの協力の下実施した水質ろ過に関する学習について発表があった。さらに、生徒それぞれが、「水辺の楽校」で学んだことを元に「マイアジェンダ」を作成し、日々の生活にフィードバックしているそうだ。
上丸子小学校5年生
上丸子小学校は、多摩川での活動をドラえもんの劇で仕立てて発表した。多摩川の今昔の説明では、タイムマシンで時代を遡り、かつて多摩川では、微生物が水質を浄化していたこと、そして水質の悪化は生物の処理能力を超えた汚れが川に流れてしまったこと、さらに現在では、下水処理によって川が蘇ったことを説明した。
2 対岸の皆様の活動事例
せたがや水辺の楽校(東京都世田谷区)
水辺の楽校としては、10年目となる「せたがや水辺の楽校」は、世田谷区の二子玉川と成城の間あたりで活動している。本来繋がるべき「子どもの生活」、「自然」、そして「地域」の見えない部分を繋げていく活動として、地域全体のまちづくりを行なっている。たとえば、活動場所となる「はらっぱ」は、みんなで楽しみながらデザインを考え、ジオラマを作って制作したとのこと。また、NPO法人 せたがや水辺デザインネットワークを発足し、さらに活動の幅を広げていくとの発表があった。
喜多見児童館(東京都世田谷区)
喜多見児童館は、多摩川の河口から21キロ、世田谷区にある児童館だ。一昨年の11月、「多摩川138企画」というイベントをで歩いていた際、羽田の渡し跡を見つけた。このことをきっかけに、喜多見児童館の近くに、昔、「宇奈根の渡し」があったことがわかった。
そこで、1年生から5年生までの25名は、渡し船を作りたい、渡し船を復活させ、対岸の宇奈根の子どもたちを遊びたいという夢を実現させるため、何度も話し合いを持った。実現のためには地域の方に色々なことを教わった。その過程を4月から本番までの映像を交え発表した。
うのき水辺の楽校(東京都大田区嶺町小学校)
嶺町小学校は、多摩川河川敷から約200メートルと多摩川に大変近い学校だ。生活科や総合的な学習の時間では、多摩川に出て、植物や生きもの、自然環境のことについて学習を進めている。
1、2年生は担任の先生から発表があった。1年生では、春・夏・秋・冬のそれぞれで季節ビンゴを行なった。季節を追うごとにビンゴに書き込まれるコメントの量が増え、児童の自然に対する見方が変化してきたことが感じられた。このような活動を続けることで、児童の自然を見る力が育ったと、児童の成長を見守る先生の感想が印象的だった。
2年生は、とどろき水辺の楽校 鈴木 眞智子先生を招き行なった、草花遊びと草木染に関する発表があった。
草花遊びでは、メヒシバやオヒシバを使ってカンザシやパラソルを作り、男の子は先生と草相撲を楽しんだそうだ。さらにセイタカアワダチソウやオオブタクサを使った染め物は、運動会の踊りのときにも活用したとの事。発表した先生からは、児童には知識としてではなく、直接体験として染物を学ばせることができ、貴重な体験となったというコメントがあった。
3年生以上では、ガサガサ体験などについて発表を行なった。ガサガサ体験では、上級生が下級生を指導する様子を報告してくれた。
特に、多摩川で観察できる魚、水生動物、野鳥などについて、見分け方などを詳しく説明した。
【 第三部 】
1 だいし水辺の楽校
神奈川県立大師高等学校アニマルサイエンス
大師高校の総合学科では、生徒が希望する講座を受講することが出来るとのこと。今回はアニマルサイエンスを受講した生徒が発表を行った。
ハゼ釣り体験では、マハゼ、ウロハゼ、マルタウグイ、セイゴが実際に釣れたとのこと。その他、ハゼの生態について発表があった。
また、横浜市内で残り少なくなった昔ながらの田園風景が残る舞岡公園の紹介では、楽しいクイズを交え、会場をおおいに盛り上げた。
最後に、このアニマルサイエンスの授業を通じ、畜産動物に対する考え方や愛玩動物との接し方に変化が生まれたとのまとめがあった。
だいし水辺の楽校生
多摩川の河口干潟で観察を続けるだいし水辺の楽校生の発表は、主に干潟にすむカニの紹介だった。
干潟でよく見つけるカニの紹介では、ケフサイソガニ、アシハラガ二、ヤマトオサガニ、チゴガニ、クロベンケイガニなどの特徴や見分け方を説明した。
大変詳しい発表で、水生動物に対する深い関心が見受けられた。
2 かわさき水辺の楽校
かわさき水辺の楽校生・水と緑の環境ネットワークの会
かわさき水辺の楽校の発表では、水と緑の環境ネットワークの会との協働事業についての発表だった。協働事業では、自然観察会、ライフジャケット早着替え競争、星空観察会などの紹介を行った。
自然観察会では、ガサガサのほか、水質調査や外来種であるホテイアオイの駆除を行っていること。
「協働事業についての報告」
【 第四部 】
閉会のあいさつ
川崎市域水辺の楽校推進協議会 三竹 隆雄 会長
今日は、これだけ多くの皆さまにお越しいただいたこと、さらに来賓として、福田市長にもお越し頂き、また、多摩川に関連する関係団体の方にもおいでいただいて感謝申し上げます。
多摩川は高取山の最初の1滴から流域を流れ、東京湾に繋がっている、都市型のきれいな川になっています。ときに恐怖をおぼえることもあるかもしれないが、私達の心の中を豊かにしてくれる多摩川でありたいと思っています。これからも皆さまの協力を頂いて、きれいな多摩川になることを私からもお願い申し上げます。
【次回予定】
■2015年3月22日(日)10時~13時 多摩川クリーン作戦
※チラシでは3月15日(日)となっておりましたが、翌週22日(日)に変更になりましたので、ご了承ください」
集 合 : とどろき水辺の楽校フィールド
日 時 : 2015年3月22日(日)10時~13時
持ち物 : 軍手 お皿 箸 飲み物
参加費 : 200円
荒天時 : 雨天中止 小雨決行
協 力 : 中原区生活環境事業所
その他 : 小学3年生以下保護者同伴必須
※ゴミ拾いをして分別しよう!
※焼き芋じゃがバターであったまろう!
※前回実施時の写真 スケルトン型ごみ収集車で収集車の仕組みを勉強します。
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