2015年7月12日(日)『多摩川カヌー教室』 活動報告

開催日時:7月12日(日)第1部 10:00~ 第2部 12:45~
開催場所:丸子橋下

2015年7月12日(日)に『多摩川カヌー教室』が行われた。このカヌー教室は、平成14年から毎年開催され、今年で14年目となる。昨年同様、午前・午後の2部構成で、参加者はそれぞれ2班に分かれて受講した。
 まずはじめに開会式を行い、全体で恒例のラジオ体操を行った。
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室

開会式終了後は、カヌー乗船班と安全講習班に分かれた。
【カヌー体験】
カヌー体験では、遠藤 光紀さんから、
1)カヌーに関する基礎知識
2)カヌーに相応しい服装
3)カヌーの操作方法
などについて座学講習があった。

1)カヌーに関する基礎知識
・カヌーとボートの違い
 カヌーは漕ぎ手が向いている方向へ進み、ボートは背中の方向へ進むという違いがある。
・カヌーの種類・特徴
 カヌーには、オープンデッキカヌーとカヤックに大別することができる。オープンデッキカヌーは幅が広いタイプのもので、カナディアンカヌー、またはインディアンカヌーとも呼ばれ、パドルは水かきがシャフトの片側だけにある「シングルブレードパドル」を用いて操船する。
 一方、参加者の多くが体験乗船したカヤックは幅が狭く、水かきがシャフトの両方にあるダブルブレードパドルを用いて操船する。
 パドルの違いは幅の広いオープンデッキカヌーでは、ダブルブレードパドルが届きにくいことに起因しているそうだ。

【写真】 オープンデッキカヌーとシングル・ブレード・パドル(下の写真は昨年のもの)


【写真】 カヤックとダブル・ブレード・パドル(下の写真は昨年のもの)


2)カヌーに相応しい服装
・ライフジャケットの着用
ライフジャケットは必ず着用すること。参加者には、「水難事故で命を落とした人のうち、90%はライフジャケットを着用していなかった」というデータを示し、ライフジャケットの重要性が指摘された。
 また、ライフジャケットについているベルトについては緩まないようしっかり締めることが重要である。緩んだまま着用すると、水中でライフジャケットだけ浮いてしまうためである。
・素材
着用する衣類の素材について、カヌーではナイロンなど化繊繊維ものが良いそうだ。これは、コットン素材などのものは保温性に優れるものの、一度濡れてしまうと乾きにくいため、陸に上がってからの低体温症を防ぐためのポイントとして解説があった。
・袖の長さ
袖の長さは、なるべく長袖のものが好ましい。これは、岩や流木など障害物から肌を守るためである。
・靴
靴は、まず紐(ひも)やマジックバンドなどでしっかり固定できるものであること、また、ウォーターシューズのように底の柔らかいものが好ましい。すぐに脱げてしまうようでは、いざというときに足を保護することができず、靴底が硬いものでは、カヌーから脱出する際にひっかかってしまうため避けたほうが良いそうだ。また、踝(くるぶし)を怪我することがあるため、踝まで覆われていると理想的である。
カヌー教室カヌー教室
・そのほか
めがねや帽子については、ストラップをつけておくことが望ましい。

3)カヌーの操船方法
・パドルの持ち方
パドルは左右の肘がちょうど90度になる位置で持つ。漕ぐときには、水かき面で水を押し出すように、また、できるだけ腕は伸ばすように漕ぐと良いそうだ。
カヌー教室カヌー教室
・乗船方法
パドルをコックピット後方へ乗せ、カヌーを安定させる。
パドルの上に座り、片足ずつ船内に入れる。
船内では軽くひざを曲げ、足全体をカヌー内側に押し付けるようにするとカヌーが安定する。
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室

・脱出方法
両手でカヌーを押さえ、腰を浮かせるようにして抜け出す。
実際にはパドルから手を離すことができないが、本日に限り(※)、カヌーから脱出することを優先させる。
※本日、パドルはスタッフが回収できるため。
カヌー教室カヌー教室

座学の後は、もちろん体験乗船を行った。今年は流れが速いこともあり、開始直後は下流へ流される参加者が多かったが、時間が経つにつれ、カヌーをコントロールできるようになっていったようだ。
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室

その他、参加者の様子
午前の部 1班
午前の部 2班
午後の部 1班
午後の部 2班


【安全講習】
・水難救助
水難事故で他人を助けようとすることは大変なリスクを負った行為である。このことを念頭に置いた上で、救助を行う際の技術について指導があった。
 下の写真は、溺れて理性を失い、救助者に抱きついてくる場合への対処法である。ポイントは、握手をするように、溺れている者と同じ側の手で掴むこと。例えば溺れた者の右手に届きそうな場合は右手で掴む。そして溺れている者の背後に回り込み、気道を確保する。逆の手て掴もうとすると抱きつかれてしまうため、避けたほうがよい。
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室

・救急講習
右下の写真は、「ヒューマンチェーン」というもので、溺れている者を岸から安全に救助するため、人が鎖となって助ける方法である。一人ずつ交互に向き合うように並び、互い隣の者の腕をしっかり握る事がポイントである。
カヌー教室カヌー教室

一方、次の写真は身近にあるものを利用した救急講習の様子である。写真では、手を怪我してしまった場合に、バンダナを利用して患部を保護、止血する方法の講習風景である。参加者は二人組みとなって、実際にバンダナで救急処置を体験した。
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室
カヌー教室カヌー教室


【今回、ご協力頂いた皆様】

■カヌー指導者
遠藤 光紀さん・藤井 慈さん・高橋 義人さん
多摩川リバーシップの会
大田区カヌー協会

■安全講習
栗田 嘉也さん・高橋 雄二さん

■安全管理
丸子ボート中原屋
法政大学小島ゼミ
とどろき水辺の楽校

この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 平成14年から続くこのイベントは、大変な好評を頂いており、参加は事前の抽選制となっております。今回ご参加頂いた皆様はもちろん、惜しくも抽選にもれてしまった皆様も、是非次回のご応募をお待ちしております。ありがとうございました。

【次回予定】
7月22日(水)~23日(木)『夏休み多摩川教室』
とどろき水辺の楽校では、草木染教室を実施します。是非、皆様お誘いあわせの上、ご来場ください。
開催日時:7月22日(水)~23日(木) 10時~15時
開催場所:二子新地 河川敷

くわしくは、こちらから
■国土交通省京浜河川事務所ホームページ

●昨年7月24日(木)『夏休み多摩川教室』 様子


2014年7月23日(水)~24日(木)『第24回 夏休み多摩川教室』 活動報告