2016年2月28日(日) 『多摩川水辺の楽校シンポジウム 川崎』 活動報告

日 時:2016年2月28日 12時30分~16時30分
場 所:川崎市総合福祉センター エポックなかはら7階 大会議室
参加者:200名

2016年2月28日、「川崎市総合福祉センター エポックなかはら」にて『多摩川辺の楽校シンポジウム』が開催された。このシンポジウムは今年で3回目。多摩川流域で活動する水辺の楽校が1年間の活動を発表し、互いの成果からさらなる躍進を図るための大切な場となっている。
多摩川水辺の楽校シンポジウム

多摩川水辺の楽校シンポジウム
総合司会 川崎市建設緑政局緑政部多摩川施策推進課 大村 沙やかさん

多摩川水辺の楽校シンポジウム多摩川水辺の楽校シンポジウム
司会 法政大学人間環境学部 上村 有里絵さん(左 第1部) 横井 美香さん(右 第2部) 


■開会挨拶(川崎市 砂田 慎治副市長)
多摩川水辺の楽校シンポジウム
シンポジウムは今年で3回目になります。皆さんのほうが多摩川の大切さをご存知のとおりです。全国で水辺の楽校は300校ほどあるそうですが、市域で20校あります。たくさんのボランテイアの方に協力してもらって成り立っています。本日は府中初め多くの楽校に発表いただくということで今後も活動が活発に行われることを祈っております。

■来賓挨拶(国土交通省京浜河川事務所 藤井 政人 所長)
多摩川水辺の楽校シンポジウム
今日はあえてネクタイを外してまいりました。先ほ副市長より紹介がありましたように水辺の楽校は全国にありますが、全部の楽校が活動しているのは全国でも珍しいことです。すばらしいこといえます。川はさまざまな顔を持っています。水辺の楽校の趣旨は川での楽しい活動をしていただくということです。ただ、楽しいことだけではなく昨年の鬼怒川での災害の顔尾もあります。楽しい後ろには危険な顔もあるということをご理解ください。

■基調講演(飯沼 誠司氏)
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ライフセービングの3つの柱は、
 1 究明救助能力の向上
 2 教育・普及
 3 競技
 ライフセービングというと人を助けることばかりとがととられがだが、事故を未然に防ぐことがメインの仕事である。海の状況は毎日違うので、データとつきあわせながらその日状況を身体で把握している。毎日海岸を見回らなければ、裸足の海水浴客がガラスで怪我することを防げないし、安全に見える海の危険を説明できない。
 海外でプロのライフセーバーの契約をしていたときに、日本人が一番溺れるという話を聞いた。これは日本では海水浴場へ行ってライフセーバーを探し、その場所で楽しむという文化がないためである。
 過去10年、水難事故数も死者数も横ばいが続いている。色んな事故があってもあまり活かされていない。たとえばオーストラリアでは、溺水事故の減少目標が毎年掲げられ、その数値目標を具体化するためにどれだけ学校教育を行うかというところまで落としこみを行っている。
 水は危険です。ただ、危険だから近寄るなではなく、楽しさも発掘していってもらう。リスクを認識した上で遊んでいったり、教育したい。


■発表 下作延小学校(とどろき水辺の楽校)
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『しゅっぱつ! しもさくしぜんたんけんたい』
春夏秋冬、自然探検隊一年間の活動に関する報告があった。


■発表 上丸子小学校(とどろき水辺の楽校)
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『自然から感じる命 ~6年間の多摩川学習を通して~』
6年間の多摩川学習を通じて学んだ、生き物の命や身近な自然との関わり、そして大切なふるさとについての報告があった。


■発表 法政大学人間環境学部小島ゼミ(とどろき水辺の楽校)
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『法政大学人間環境学部小島ゼミ』発表
サスティナビリティ(持続可能性)をキーワードに学ぶゼミ生が、人間と環境の関わり合いを、座学にとどまらずとどろき水辺の楽校の活動に参加して得られた経験について報告があった。


■発表 府中水辺の楽校
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『府中水辺の楽校 活動紹介』
野鳥観察、カヌー教室、ガサガサ体験、源流体験、安全講習会など精力的に活動する府中水辺の楽校についての報告があった。

■発表 竹本 久志さん(狛江水辺の楽校)
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カエルの産卵に合わせた小川の活動や外来種アレチウリの駆除、オイカワの産卵床づくりと行った環境保全活動、ブランコ、木登り、ハンモック、ガサガサ体験、カヌー教室など、親子を対象とした自然体験教室、川の生きもの調べ、野鳥観察、化石調べなど小学校の環境学習について発表があった。

■発表 上原 幸子さん(世田谷水辺の楽校)
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自然について学ぶ「せたがや水辺の楽校」と子ども自身が日常の遊びの中で生かす「きぬたまあそび村」。この2団体が一緒になり立ち上げた「せたがや水辺デザインネットワーク」では、子どもの環境学習をきっかけに地域の大人たちの交流につながり、さらに二子玉川の企業との連携に発展してきたという報告があった。

■発表 金作 幸男さん(かわさき水辺の楽校)
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『かわさき水辺の楽校 物語』
 魚釣りをしたある日の水辺の楽校の一日を紹介。多摩川・二ヶ領用水が交差しているところで魚釣りを行った。オイカワ・クチボソ・ハヤがターゲット。この日は大漁で、釣った魚はせせらぎ館に展示をしている。

■発表 志賀兄弟(だいし水辺の楽校)
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『みなさんは水防センターを知っていますか?』
志賀兄弟の発表は大師河原干がた館に関するものだった。
大師河原干がた館は正式名称『大師河原水防センター』といい、国土交通省が洪水・水害など緊急時のために作った防災施設だ。
 緊急車両倉庫や復旧資材置き場、ヘリポートなどが設置され、平常時は防災環境教育や地域団体の活動拠点として、緊急時には、水防活動や資材の備蓄基地としての役割を担っている。

■発表 三浦親子(だいし水辺の楽校)
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『ひがた館のひみつ』
三浦親子は大師河原ひがた館のひみつを、ときにユーモアを交え、子どもにもわかりやすく発表してくれた。発表内容は残念ながら来場者だけの秘密にするようにとのことで、ここで詳しく紹介出来ないが、ひがた館の楽しいイベントや他では得られないような交流についての極秘情報を打ち明けてくれた。

■発表 川崎市立玉川(ぎょくせん)中学校(とどろき水辺の楽校)
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川崎市立玉川中学校の発表は、源流体験、ガサガサ体験、草木染めに関するものだった。 山梨県小菅村での源流体験では、川遊び、魚掴み、捕まえたニジマス調理・試食について発表し、自然の中で学んだ命の大切さについて感想を発表してくれた。また、ガサガサ体験では最初は少し怖がりながらも、次第に魚捕りに惹かれていった様子がよく分かった。さらに草木染めではサクラやイタドリで染色したハンカチを会場でみせてくれた。多摩川は自然の宝庫、これからも大切に守っていきたいとのことだった。

■特別講演 学校教育における取組 下作延小学校 橋本 晃一 校長
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「自然とどのように関わっていくのか」「自然をどのように研究していくのか」。ここに関係されている方の熱い思いがあった。その活動を通じてどんな思いを心にとめられたのか。教育の立場で言うと、そういう思いをどのような言葉の残してあげられるか、ということになる。
・オリジナルのハンカチが出来た。
・笹舟はオオザザが縦に割れて一番良い。(他の笹ではだめだった)
・冬なのに春を探した
・全身で多摩川とぶつかった。
・小さな命の大きな変化を感じた
・もともと160だったCODが4~8になった。
今日のシンポジウムの中のこういった言葉がすばらしかった。
自然に親しむ、自然を楽しむ 自然を学ぶ こういう自然とのふれあいがどう大事なのか。
 『ダンゴムシに心はあるのか』森山 徹 著 という本を紹介したい。
 この本の中でびっくりしたことは、ダンゴムシの説明について5ページ使っていたことであった。「親しむ、楽しむ 学ぶ」ために大切なことは、自分のやろうと思ったことを「とことんふれあえ、とことん遊べ、とことんつきあえ」ことである。 今日色んな団体で色んな自然とふれあうという中で、「とことんやっていく」ということが一つキーワードになっていて、とことんやった結果で何か気づきがあったら言葉に残していこう、絵や作文に残していこうということが大事なのかと思う。
 今日私は学校の立場で来ている。学校の中でどういう自然との関わりがあるか。少し難しいことになるが、教育基本法の中で教育の目標の中に、「生命を尊び、自然を大切にし、環境保全に寄与する態度を養う」というものがある。これを発展していくと、環境問題とか防災意識とか、エネルギーとか、今日まさしく発表にあったことだ。ところが、実際子どもたちの現状はどうか。身の回りに自然がない、自然との関わり合いが薄い、自然の営みに気づけない。人工物の中にいる。人から見た世界の中で生活している。
 自然から学ぶ機会を意識的に作ってあげないと違う考えに子どもたちが育ってしまうという危惧をしている。

■標語発表
多摩川水辺の楽校シンポジウム
 ★ 金賞 ★ 『お魚いっぱい きれいな多摩川』
 府中市立府中第八小学校4年 福田 龍洋 さん

 ★ 銀賞 ★ 『多摩川のきれいな水は 時代をつなぐ命の水』
 川崎市立上丸子小学校6年 塚本 祐一郎 さん

■閉会挨拶 御前 大(とどろき水辺の楽校 理事長)
多摩川水辺の楽校シンポジウム
長時間ご参加賜りましてありがとうございました。来賓の国土交通省京浜河川事務所のみなさま、橋本校長に置かれましては全体のまとめもさせていただき感謝いたします。これで多摩川水辺の楽校シンポジウムを終わります。